今年は以下の目標を掲げます。
研究
相対論と情報幾何を融合する試み
古典情報幾何の出発点であるマルコフ埋め込みの量子版を考えます。
教育
地球惑星学科での「統計力学」の授業、Zoom授業にようやく慣れてきました。
シニア相手の「量子コンピューターを理解するための量子力学」をもう少し続けます。
哲学
量子力学の認識論的位置付け
旗振りおじさん、水彩画、詩作は続けますが、水彩画に力を入れます。
詩集を出版することを目標とします。
今年は以下の目標を掲げます。
研究
相対論と情報幾何を融合する試み
古典情報幾何の出発点であるマルコフ埋め込みの量子版を考えます。
教育
地球惑星学科での「統計力学」の授業、Zoom授業にようやく慣れてきました。
シニア相手の「量子コンピューターを理解するための量子力学」をもう少し続けます。
哲学
量子力学の認識論的位置付け
旗振りおじさん、水彩画、詩作は続けますが、水彩画に力を入れます。
詩集を出版することを目標とします。
寅彦の命日であるこの大晦日を期して上記の本を窮理舎から上梓しました。https://kyuurisha.com/info/newbook-info3/
東工大の科学史の研究室のセミナーでZoom講演をしました。火ゼミ報告を引用します。
物理の研究をしていて方向性を見失い、気づいてみると欧米の雑誌に出ている論文を読んで、とりあえずできそうな問題を見つけ解いて論文にして、その年を切り抜けている人が結構いるような気がする。物理学の分野に特段の流行が見受けられない 2020 年現在、そのような人の研究にはかなり苦しいものがあると思う。
そのような人の初心に寺田寅彦が蘇ってこないだろ うか? 寅彦は自然を直接観察し自作の実験装置を工 夫し、独自の新境地を開いた物理学者である。彼の随 筆が秀逸であったために、とかく優雅な「眺める物理 学者」のイメージが強いが、正統の物理の分野でも大 きな貢献をしている。1913 年に X 線回折によるブラグ 反射と同じものを独立に発見している。その実験方法 も回折像の解析方法も独創的であるとラウエからの高 い評価も得ている。ただし、わずか 2 年で研究を弟子 の西川正治に委ねている。
さらに物理学の方法論についても体系だった思想を 持っていたスケールの大きい物理学者であった。その 思想の内容が未完の書「物理学序説」である。この序 説は、初学者に向けた語り口で述べられているが、実 は同時代の研究者へも鋭く問いかけている。
現代の理論物理学は、高度に数学化されている。学 問の発展の段階では、その数学化が威力を発揮してき たことは否定できないし、実際に一般相対性理論では 大成功をおさめた。肌感覚では 1980 年代からその傾 向が極端になり、かつやり尽くされたように思う。
ここで一旦立ち止まり集団思考から社会的距離をと り、自然を直視して、数学の言葉でなく自然言語で物 理を語り、研究の新しい芽を探してみてはどうだろう か?
最後に寅彦の俳句を一つ紹介する。
椎の影 蔽ひ尽して 池寒し
水島寒月
愛猫家にして元ネット右翼の著者は、最近の猫ブームを日本の歴史の転換点と見る。
氏によれば、平安から江戸までの「猫期」から転じて明治から平成まで続いた「犬期」が今終わろうとしている。国家や会社に対する忠誠心を要求する時代から、ひとり一人が自由に生きる時代が来たというのである。同じ愛猫家として共感するが、いささか早まっている気もする。
科学雑誌を総動員しても勝てない猫本ブームにタジタジとなるが、科学の側の尊大さを反省すべきかもしれない。猫的科学者の代表の寺田寅彦に学ぶことが多いと思う。
今年度は、COVID-19のためにオンライン授業になります。
このブログページに講義ノートをアップします。
受講生諸君には毎回OCWを通じて案内を送ります。
時間は14:20-16:00
全14回
12/4(金) 初回 地惑統計力学熱力学L1A
12/8(火)第2回 熱力学L1B
12/11(金)気体分子運動論L2
12/15(火)統計力学(ミクロ)L3A
12/18(金)統計力学(ミクロ)L3B
12/22(火)カノニカル統計L4
12/25(金)量子統計L5A
1/8(金)量子統計L5B
1/12(火)グランドカノニカルL6A
1/19(火)グランドカノニカルL6B
1/22(金)コンパクト星L7
1/26(火)
1/29(金)
2/2(火)最終回
10年ほど前に自治会長をしていた時のことである。防災訓練の下相談の
ために隣の自治会の幹部の方と 消防署の待合室でお会いしたところ、
突然「私の人生は失敗でした」と話を切り出されてびっくりした。なんでも
在職中は中央官庁で それなりの地位まで登りつめ、無事退職したそうだ。
しかし、上司など周りに配慮して自分の考えを主張せず無難に仕事をこなして
いるうちに 頭がすっかり悪くなってしまったというのである。
私からは何とも言えず黙って聞いていた。
それで定年後やりたいことはいっぱいあったのだけれども、
それを実行する「知力」が衰えてしまい、漫然と暮らす毎日になってしまい、
この先20年以上をどうしようかと暗澹たる気持ちだとおっしゃ る。
最近の日経サイエンス2020年12号74ページの記事で、
学習が脳の構造を変えることが最近の神経科学で実証された記事を読み、
上記のエ ピソードを思い出した。それによると脳細胞を強く太くするような
良い学習をする必要がある。私自身は、上司や同僚に恵まれて忖度など一切なし
に自分の信念通りに生きて定年後も毎日を生き生きと楽しく暮らし、
その幸運を感謝している。 政権に忖度をして国会で見えすいた
嘘を言わされている官僚諸君はまことに気の毒という他はない。
人間関係や出世などという人事のために、
大事な頭を悪くしているのである。しかし、同情ばかりでは済まない。
高い地位にある官僚はその忖度によって部下に馬鹿になるか自らの命を断つ
かの選択を迫っているかも知れないのだ。
中に納められている「光子の裁判」などいくつかは既に読んでいましたが、今回は江沢編に惹かれて読み直しました。
注目するのは、朝永が量子力学革命の時期を1925年から1930年に限定していることです。それ以前の、プランク、ドブロイ、ボーアなどのいわゆる前期量子論を勘定に入れていません。ハイゼンベルグ、シュレーディンガーとディラックによる現代でも物理として通用するものを量子力学と呼んでいます。
京都の湯川・朝永はその革命について行けたけれども、東京地区では、学部卒くらいの若い人たちが「物理学文献会」という輪講を理化学研究所の一室で夜勉強していた状況だったようです。
叙情文芸176号(秋)に入選した詩です。
平日の英国式公園
黄色い疫病の飛沫の漂いを
青い風が吹き飛ばしていく
木々の小枝を細かく強く震わせて
強い風が通り抜けていく
この広い一面芝生の公園に
少年サッカーチームが声をかけながら
ボールをパスしている
快晴の太陽のもと
家族連れが幾組も水筒をシートにおいて
ピクニックをしている
小さな子供たちがテントから
首を出して笑っている
空高くゴムボールが投げあげられ
ビーグル犬が走りながらくわえとり
お嬢さんの足元で尻尾を振っている
お父さんとキャッチボールをしている
男の子は取り損なったボールを追駆けていく
お年寄りたちは、ベンチに腰掛けて
日向ぼっこをしながらそれを眺めている
そこを青い風がまた通り抜けていく