春の傘

7 3月

03072013145531

「抒情文芸」146号に投稿した詩「春」が入選しました。

嬉しいことに選者が好意的なコメントをしてくれ、励みになります。

今まで、短歌部門ではかなりの好成績だったのですが、詩についてはその形式に

模索が続いていました。これで一つに定まりました。

最後の行について、もう少し意外性が欲しいとのコメントについては、「やはり」と思いました。「しみ」を「メアリーポピンズ」とすることも大分考えたのですが、詩全体を総括しかねないので躊躇しておとなしく終えました。気持ちは、金子みすゞの

「見えないけれどあるんだよ」に近いのですが。

春の日の 雨上がりの

曇天に 花模様の傘が飛ぶ

勤めに出かける人々の上を

少しばかりの緑の吹き出た木々の上を

傘はしめっぽい風を含んで舞い上がる

そこにいましも郊外電車が

カーブを切りながら

小さな駅のプラットホームに入ってきた

傘は電車の屋根を楽に越え

野菜畑の上で宙返る

小さな女の子が車窓からこれを見ていた

電車が客を乗せて音をたてて動き出すと

傘も姿勢を整えてゆっくりと上昇する

大人達は新聞に夢中で気付いていない

電車が速度をあげ、子供が空を見上げると

傘は高くたかく昇り

空の中のしみのようになってしまった

この詩はだいぶ前の作ではありますが、空想ではなく写実です。ちょうど、昨日今日のような

強風が傘を舞い上げていました。絵の風景は成田線沿線をイメージしたものですが、だいぶ簡単化しています。

電車も実際は15両編成です。

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