抒情文芸入選作

6 9月

小さな事件

赤いランドセルに黄色いカバーをつけた一年生

ちょっとお転婆のミヨちゃんは

その低音とクリクリお目めで人気もの

男の子たちと登校中、

急に群れから抜け出し、駆け出した

みな慌てて追いかけ、数人の足が絡んだ

「危ないな」と思う間もなく、

ミヨちゃんの靴が滑って、前のめりに転んだ

膝小僧を擦りむいて血が出てきた

みな心配そうに取り巻いて

ハンカチを差し出したり、しゃがんでさすっている

ミヨちゃんは立ち上がったけれど、べそをかいている

「傷口に触らないで、早く保健室に行きなさい」と言うと、

「先生に話す」と、二人が走り出す

いつも一緒にいる眼鏡の子が「頼むぜ ボクはミヨちゃんを守る」と頼もしい

でもしばらくして、ミヨちゃんたちは排水溝を覗き込み石を蹴飛ばし始めた

通りかかったおばさんが、自転車で子どもたちを追い立てて行った

翌朝、顔にも赤チンをつけたミヨちゃんが

夏風の中を一連隊率いて登校してきた

「オハヨーございます」と言いざま黄色い旗を掴んで走り去ろうとする

選者評

「こういう女の子いますね。」

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