2017年度大阪大学入試出題ミス

16 1月

そのために一年遅れで20名ほどの入学を認めると大学側は発表した。大方のマスメディアは受験生の人生を狂わせたとして大学側の対応を批判している。もちろん、一年の遅れの発表の申しひらきはできないのだが、このままでは単なる大学叩きに終わる。出題ミスの再発防止の新しい組織を作ることが進歩とは思えない。

私が在職中に入試室長をした経験から言えば、人間が行うことである以上ミスは減らせるけれども完全になくすことはできない。ある確率でエラーは起きることを認めた上で、ひとつのミスが20名という人数の故なき不合格者を出すようなシステムの脆弱さをなくす対策を考えるべきであると思う。

議論を簡単にするために、全受験科目が1000点満点としよう。合格・不合格のボーダーライン前後5点の幅に20人いたとしよう。一問5点とし、出題ミスが1問あるとその20人の合格が動くことになる。しかし、考えてみてほしい。1000点のうちの5点という点数は、採点のわずかなさじ加減で動くいわば誤差の範囲なのだ。いわばその20人はエラーバーの中に埋もれているので、その合否を点数で区別することには意味がないのである。

私の提案は、そのボーダーラインのエラーバーに埋もれている人たちに対しては、単なる点数ではなく全く別の尺度を適用して、合格・不合格を判別することである。そうすれば、1問くらいのミスがあっても合格・不合格に影響が出ない。

「別の尺度」は色々ありうるので、それぞれの大学の見識で選択して、事前に公表する必要がある。例を挙げよう。(1)完答した大問の数の多い順にする。(2)ある特定の科目が秀でているものを優先する目的で、点数の合計ではなく、自乗和を採用する。(3)女性を優先する。他にもあるだろうが、その是非はここでの問題ではない。

この「別の尺度」をボーダーラインにだけ適用する方式は、上に述べたように合格設定の出題ミスに対する脆弱性を回避するばかりでなく、見所のある人を大学が見出す手段にもなる。

朝日ウェブ論座にあった、尾関章さんの記事「なにごとにも誤差がある――2018年、科学者にはそう言ってほしい」に応えたつもりである。

http://webronza.asahi.com/science/articles/2017122100006.html

 

 

 

 

 

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