井上勝生著 シリーズ日本近代史(1) 幕末・維新

2 2月

P147

日本に国際的な重大な軍事的危機が迫っていたわけではないのである。対外的危機からの脱却が何をおいても必要だったという、国際関係を前提に急進的な政治革新を必然的なものと描き出す見解が従来有力なのだが、冷静に再考されるべきである。

 

P118

最強の海軍国イギリスは、日本周辺海域でのロシアとの勢力均衡。大陸国家中国への橋頭堡としての海洋国家日本の地勢的位置、日本の高いレベルの国家統合と3つの条約港防衛の困難さ、そして順調な貿易の推移などを配慮しており、これがイギリスによる日本の領土植民地化という現実的可能性を相当に小さくしていた。

 

この本には、1860年代の日本において重要な役割をした幕府、薩長、外国大使たちも「日本の植民地化が非現実的であること」の認識を共有していたことも書かれている。

幕末の「植民地化の危機」は、戦後も続いた日本の学校教育におけるフィクションだったのである。

P116

植民地化の危機について

1861年に起きたロシア軍艦対馬占領事件に際し、イギリス公使オールコックが「ロシア艦が対馬からの退去を拒む場合、英国自身、同島を占領すべき」と言明し、イギリスが「日本占領」を意図したとする、文部省維新資料編纂会編「維新史」の説明を

当時のイギリス東アジア艦隊司令官ホープの「日本の領土の占領は得策でない」という反論の記録によって否定している。

 

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。