日本の原子核物理学の草分けである荒勝文策について、京大でお弟子さん政池明先生が最近科学史的な本を出版された。
徹底した実証主義者の荒勝が、広島の原爆投下直後に放射線を調査し、それが原爆によるものであることを実証している。敗戦後、GHQによる尋問を受け何より大切な実験ノートを没収された時に流す涙と、その時の通訳T. SmithがGHQの理不尽なやり方に憤慨して辞表を出して帰国し、日本文化の研究者になるところは胸を打つ。そして、サイクロトロンの破壊と続く。
この誠実な物理学者の存在を知ることができて良かったと思う。
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