時間の空間化批判という副題が付いていて、哲学者の森田邦久さんが編集しています。哲学者と物理学者が時間について論じ、対話したものです。
私は、第3章 現代物理学における「いま」を執筆しました。これは、東京大学で行われた吉田夏彦先生の主宰するDDD会での講演、森田さんが企画した九州大学でのセミナーに基づくものです。
内容は、1947年に渡辺慧さんが書かれた「時」という本(河出書房)の中に収められた常識人と物理学者の間の「時間対話」を70年タイムスリップさせたものです。
現代物理学の数学的な記述の中から滑り落ちてしまった、「今」の概念の復権の芽を量子力学と熱力学の操作的な理論構成の中に見出そうとします。
この論文集の中の平井さんによるベルグソンの時間観と不思議な符丁があります。キーワードは「観測者」です。
以下をクリックしてくださると、校正の方が可愛いと言ってくださった手書きの「マクスウェルの悪魔ちゃん」です。図3.2 マクスウェルの悪魔
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