三好達治の「乳母車」

1 7月

乳母車

 

母よ――

淡くかなしきもののふるなり

紫陽花(あじさい)いろのもののふるなり

はてしなき並樹のかげを

そうそうと風のふくなり

 

時はたそがれ

母よ 私の乳母車(うばぐるま)を押せ

泣きぬれる夕陽にむかって

轔轔(りんりん)と私の乳母車を押せ

 

赤い総(ふさ)のある天鵞絨(びろうど)の帽子を

つめたき額にかむらせよ

旅いそぐ鳥の列にも

季節は空を渡るなり

 

淡くかなしきもののふる

紫陽花いろのもののふる道
母よ 私は知っている

この道は遠く遠くはてしない道

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介護施設にいる母を整形外科に連れて行きました。足が痛いと言うので、車椅子に乗せて診察を待っている間に沢山話ができました。かつて、私が乳母車に乗っていた時と立場は逆転しています。

 

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