10年ほど前に自治会長をしていた時のことである。防災訓練の下相談の
ために隣の自治会の幹部の方と 消防署の待合室でお会いしたところ、
突然「私の人生は失敗でした」と話を切り出されてびっくりした。なんでも
在職中は中央官庁で それなりの地位まで登りつめ、無事退職したそうだ。
しかし、上司など周りに配慮して自分の考えを主張せず無難に仕事をこなして
いるうちに 頭がすっかり悪くなってしまったというのである。
私からは何とも言えず黙って聞いていた。
それで定年後やりたいことはいっぱいあったのだけれども、
それを実行する「知力」が衰えてしまい、漫然と暮らす毎日になってしまい、
この先20年以上をどうしようかと暗澹たる気持ちだとおっしゃ る。
最近の日経サイエンス2020年12号74ページの記事で、
学習が脳の構造を変えることが最近の神経科学で実証された記事を読み、
上記のエ ピソードを思い出した。それによると脳細胞を強く太くするような
良い学習をする必要がある。私自身は、上司や同僚に恵まれて忖度など一切なし
に自分の信念通りに生きて定年後も毎日を生き生きと楽しく暮らし、
その幸運を感謝している。 政権に忖度をして国会で見えすいた
嘘を言わされている官僚諸君はまことに気の毒という他はない。
人間関係や出世などという人事のために、
大事な頭を悪くしているのである。しかし、同情ばかりでは済まない。
高い地位にある官僚はその忖度によって部下に馬鹿になるか自らの命を断つ
かの選択を迫っているかも知れないのだ。
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