今朝の朝日新聞に東工大の中島岳志さんのインタビュー記事が堤未果さんのものと一緒に掲載されています。
中島さんはこのところ「利他」という言葉を深める方向で論説を行なっています。東工大でもリベラルアーツ研究教育院の教員が中心になり、「利他」をテーマにさまざまな研究活動を展開
未来の人類研究センター|FUTURE OF HUMANITY RESEARCH CENTER (titech.ac.jp)
していますが、中島さんが提唱者です。私自身は、上記の第29回講演会で寺田寅彦のことをお話ししました。
今朝の記事を読んでいると、「利他」を倫理的というよりは意外にも言語的に捉えているようです。記事の中で、ヒンズー語では「私」を主格としてではなく「与格」に使うことがあるとを述べています。その言い方だと「私」は宇宙の中に埋没します。
講演後のやりとりの中で、中島さんは私が「旗ふりおじさん」をしていることに興味を持ちました。旗ふり仲間で尊敬している大先輩の境地が「気配を消して風景に溶け込む」ことにあるとお話しすると、それこそ「利他」だと喜んでいました。
しかし、考えてみると中島さんが専門としている政治の世界で、上記の意味の「利他」は極めて難しいように思います。総選挙が始まりましたが、選挙カーから自分の名(だけ)を連呼し、皆様のために働きたいと一方的にがなりたてていて「利己」の極みです(笑)。
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