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我孫子サイエンスカフェ第50回 光は粒子か、波か、はたまた量子か?

11 8月

当カフェも50回を迎え、毎回60名以上の参加者があり

順調に推移しております。最近は、的確な質問が続いて出てくるようになり、進化していると自負しています。

http://abikoscience.web.fc2.com/

光と量子

50回目は、私自身が話しました。内容はPDFにアップします。途中で、手元実験として偏光板で楽しんでいただきました。

これは、光の物理、光の化学、光の植物学と続く光シリーズの第一弾です。9月8日には東工大名誉教授の市村先生に光化学スモッグとオゾンホール問題の解決、11月10日には、公立諏訪東京理科大の渡辺教授に、有機薄膜太陽電池によるビニールハウス発電の実験のお話をしていただく予定です。奇しくも、光学の基礎、応用、実用の順番にもなりました。3番目は、自然エネルギーを進める我孫子の会との共催です。

東工大地球惑星科学科授業 統計力学終了

3 8月

2019siken

8月1日に、上記科目の期末試験を行いました。

解答例をアップします。

統計力学という科目は、相撲でいうと押し相撲みたいなもので

勝つ時は一気で満点になるものだと、今年も実感しました。

統計力学をカードゲームで体得するという「大沢流手作り統計力学」を学生さんにしてもらいました。

結果は、大沢先生の書かれていることと違いました。カードの数vs人数がボルツマン分布にはならなく、

テールの先にピークが立つ結果でした。資本主義経済に例えると、漸近分布は一人の大金持ちとその他大勢というのが結果でした。

3年続きで同じ結果を得たので、真剣に考察し始めています。

発案者の大沢先生ご自身が他界されたので、ご相談できないのが残念です。

雑誌「現代思想」に佐藤文隆さんとの対談が掲載されました

27 7月

今年は、アインシュタイン生誕140年で、それを記念して特集号を企画したそうです。

佐藤さんも私も、学生時代アインシュタインは「過去の人」として扱われていました。時代は一巡りして、量子力学の観点からすると「時の人」かも知れません。

私は、対談でアインシュタインが、1905年の特殊相対性理論の時と1915年の一般相対性理論で、そのスタイルを大きく変えていることを強調したつもりです。そして、現代的な観点からすると、若きアインシュタインの優れた着眼点に注目すべきだと述べました。

 

東工大授業「物理と論理」

19 7月

標記のタイトルで、定年まで続けていた授業が、雑誌「大学の物理教育」2019年Vol.25 No2に掲載されました。

出だしだけ紹介します。

平成のある年のことである. 論理学の教授が私のところに来て、仙台に私の父の家を訪ねた思い出話を切り出しに、文理融合科目の総合Bの授業を依頼した. 文系の教員が理工系にパートナーを求めて共同授業をするという. 「物と事は区別ができないという定理を証明した」と称する人なので、面白かろうと快諾した. その後の成り行きで定年まで続けた. 全学の学生対象で毎回30人以上の受講者で結構盛況だった.

科学絵本 茶碗の湯 文 寺田寅彦 (窮理社)

30 4月

 

窮理社の伊崎さんから、素敵な科学絵本が送られてきた。

寺田寅彦の随筆を絵本にしたもので、水彩画が静謐で、装幀も上品です。

湯のみに淹れた、お茶の表面に立つ離合集散する割れ目が作る、多角形の不思議さがなどがあります。

論文の掲載が決まりました

23 9月

ようやく、論文 ”Informational Theory of Relativity”が日本の欧文誌PTEPに受理されました。

arXiv:1703.03971 [pdfpsother]

Akio HosoyaShunsuke Fujii

(PTEPバージョンではAppendixが大幅に割愛されています)

アインシュタインが27歳の時1905年に著した特殊相対性理論の論文は、離れたところにある相対的に静止している2つの時計を合わせる方法から出発しています。私たちは、離れたところにある2者が時刻情報を交信するのにビット数に比例する時間がかかると仮定して、相対性理論を情報理論的に修正しました。72歳になって書いた渾身の作です。

一般相対性理論に拡張した時に現れる主な特徴を挙げます。

(1)時間軸の方向は任意ではなく場の方程式の解として定まる。

(2) アインシュタイン方程式も修正されるが、今のところ実験・観測と矛盾しない。

(3)(1)のために従来のブラックホール半径のところでは計量が局所慣性系でも異常を起こすので、おそらく通過できない。

長く付き合ってくれた共著者の藤井君に深く感謝いたします。またこの内容も体裁も普通でない論文の掲載に許可を出してくださった、査読者と編集者の見識と勇気に敬意を表します。

第2論文は準備中です。

Abstract:

Assuming the minimal time to send a bit of information in the Einstein clock synchronization of the two clocks located at different positions, we heurisitically introduce the extended metric to the information space as an attempt to unify space-time and information. This modification of relativity changes the red shift formula keeping the geodesic equation intact.Extending the gauge symmetry hidden in the metric to the 5-dimensional general invariance, we start with the Einstein-Hilbert action in the 5-dimensional space-time. After the 4+1 decomposition, we obtain the effective action which includes the Einstein-Hilbert action for gravity, the Maxwell-like action for the velocity field and the Lagrange multiplier term which ensures the normalization of the time-like velocity field. As an application, we investigate a solution of the field equations in the case that a 4-dimensional part of the extended metric is spherically symmetric, which exhibits Schwarzschild-like space-time but with the minimal radius. As a discussion we present a possible informational model of synchronization process as a trial model which is inherently stochastic. The model enables us to interpret the information quantity as a new spatial coordinate.

荒勝文策について読む

4 6月

日本の原子核物理学の草分けである荒勝文策について、京大でお弟子さん政池明先生が最近科学史的な本を出版された。

徹底した実証主義者の荒勝が、広島の原爆投下直後に放射線を調査し、それが原爆によるものであることを実証している。敗戦後、GHQによる尋問を受け何より大切な実験ノートを没収された時に流す涙と、その時の通訳T. SmithがGHQの理不尽なやり方に憤慨して辞表を出して帰国し、日本文化の研究者になるところは胸を打つ。そして、サイクロトロンの破壊と続く。

この誠実な物理学者の存在を知ることができて良かったと思う。

相対論ゼミ@我孫子は絶好調です

18 3月

相対論ゼミは、ついにアインシュタイン方程式まで到達しました。

これから、シュバルツシルド解に取り掛かります。

スペースの関係で小さいホワイトボードで板書するしかないのですが却ってよいようです。板書の例

20180301相対論

今は、等価原理から出発して座標変換により測地線の方程式を導きました。煩わしい添字にも少しづつ慣れてきたように思います。

講義ノートL3-1,L3-2(リーマン幾何学)を新たに置きました。

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我孫子サイエンスカフェの参加者の一人から勧められて、シニアの受講者7人で我孫子の喫茶店North Lake Café を2時間借り切って始め、2回目になりました。質問と意見が続出で楽しく盛りあがりました。ゼミの終了後はそのまま夕食をカフェでいただき、写真のような風景を後に帰宅します。

まだ、特殊相対性理論ですが、4月から一般相対性理論に入ります。

特殊相対論と等価原理まで講義ノートをここに置きます。

東工大でのノートのコピーです。実際には対話の進展次第で変えていきます。例えばローレンツ変換の導出は作図によるものにしました。20180301相対論

L1

L2-1

L2-2

L2-3

L3-1

L3-2

L4-1

L4-2

L4-3

01172019142003

01172019141742

01172019141512

01172019141300

http://northlakecafeandbooks.com/

量子重力の研究における私の到達点

23 2月

最近出版された(2018,3)数理科学の特集「量子論的思考法のすすめ」に、「量子論と相対論」というやや漠然とした題の記事を掲載しました。昨年、ある若い人から、量子重力の研究において、私が到達した点を問われたのですが、到底口頭では意を尽くせなかったと感じました。その後、数理科学から誘いがありましたので、この機会に私の思いを文章に起こしてみました。

CRAZY HOURS(非常識な時刻)

5 11月

Franck Mullerさんは超絶技巧と斬新なアイデアを併せ持つスイスの時計職人です。銀座にも出店していて、表題の妙な時計を一個300万円くらいで売り出しています。

https://www.franckmuller-japan.com/collection/watch/category/crazyhours/

時計の文字盤に1から12までの数字がデタラメに並んでいるのが目につきます。長針の動きは普通ですが、短針は1時間ごとにスキップして正しい時刻を表示します。アイデアは単純ですが作るのは大変だったと思います。

これは時計の役割について示唆的です。時刻を正しく表示し伝えることさえできればよいとして、時計の概念の一般化したくなります。文字盤は数字である必要はなく、周期的である必要もない単なる文字列でよさそうです。ただし他の人の時計の文字列と1対1に対応していればいいでしょう。

この一般化されたCrazy Clockと物理時間との対応を考えたくなります。