叙情文芸176号(秋)に入選した詩です。
平日の英国式公園
黄色い疫病の飛沫の漂いを
青い風が吹き飛ばしていく
木々の小枝を細かく強く震わせて
強い風が通り抜けていく
この広い一面芝生の公園に
少年サッカーチームが声をかけながら
ボールをパスしている
快晴の太陽のもと
家族連れが幾組も水筒をシートにおいて
ピクニックをしている
小さな子供たちがテントから
首を出して笑っている
空高くゴムボールが投げあげられ
ビーグル犬が走りながらくわえとり
お嬢さんの足元で尻尾を振っている
お父さんとキャッチボールをしている
男の子は取り損なったボールを追駆けていく
お年寄りたちは、ベンチに腰掛けて
日向ぼっこをしながらそれを眺めている
そこを青い風がまた通り抜けていく